キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
消え入りそうな声だと自分でも思った。
多分あやくんには聞こえてない。
その証拠にあやくんはずっと黙って私を見つめてる。
「~~っ、すきだから! あやくんのこと、好きだから……っ」
天使みたいにかわいくて、弟みたいな存在だった。
守ってあげなきゃって思ってたあやくんは、いつの間にか“男の子”になっていて。
『俺も男だよ――つづ』
押し倒された時はびっくりしたし、私の知らないあやくんになっちゃったのかと思った。
『毎日キスしてって言ったの』
キスする条件を出された時も面食らった。
天使だと思っていたのに小悪魔になっちゃった。
でも、
『つづの居場所は俺でしょ?』
ボロボロに傷付いた私を抱きしめて守ろうとしてくれた。
優しいところも甘いところも変わってなかった。
見た目が変わってもイジワルになっても、心根は優しいあやくんのままだった。
「あやくんが、好き……」
好きにならないわけがなかったんだ。
最初からそうだ、あやくんは行く宛のなかった私を拾ってくれたり寄付金を払ってくれたり。
今ならわかる、あやくんは最初から私を守ろうとしてくれてたんだって。
「――やっと言ってくれた」
「え?」
ふわっと甘い香りが広がったと思ったら、ぎゅっとあやくんに抱きしめられていた。
「つづがそう言ってくれるの、ずっと待ってた」
「え!?」