キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
あやくんはそのままスタスタと階段を登ってしまう。
授業なんて初等部からサボったことないのに……!
あやくんってばワルい子!
「行かないの?」
「行く!」
とにかく今はあやくんと話そう!
色々聞きたいことがいっぱいある。
屋上に入るのは初めてだ。
糸奈学園の屋上は花壇や噴水もある庭園になっている。
屋根がついていて雨の日も安心、ゆったりと過ごすことができる憩いの場所。
ただし使えるのはA組の生徒のみ。
だから高等部の屋上に入るのは初めてだ。
「ここ、俺の特等席」
そこは屋上庭園の一番奥で人目につきにくいスペース。
リゾートホテルにあるようなデッキチェアがあるのは流石といったところ。
一つにあやくんが寝転んだので、隣にあるもう一つのデッキチェアに座ってみた。
すごくふかふかで気持ちいい。
「寝ちゃいそう……」
「それな」
「――いやいやダメだよ!」
のんびりサボってる場合じゃないんだ!!
もう、しっかりして私!
「はいっ! あやくんに聞きたいことがあります!」
「どうぞ?」
「玖央ホールディングスの御曹司なんですか!」
「まあ一応そう。母親が再婚して新しい父親が玖央ホールディングスの社長だったから」
な、なんと!
お母さん再婚してたんだ! それはおめでたい!
「てかそれ、昨日聞かれると思ってたんだけど。俺思いっきり制服だったじゃん」
「あやくんと会えた衝撃で忘れてた!」
「……つづらしいね」