キスで溺れる同居生活〜年下御曹司は再会した幼なじみを愛し尽くしたい〜
結川くんは途中で遮った。
「ごめん、今返事は聞きたくない」
「え……」
「返事はまだしないで欲しい」
返事はしないで欲しいってことは、保留ってこと?
「付き合って欲しいと思ってる気持ちは変わらない。でも今は、俺が千歳さんのことが好きだってことを理解して欲しい」
「えっと、それは……」
「千歳さんは俺のこと、異性として見たことなかったでしょ?」
それは……その通りだ。
結川くんはずっと頼りになる友達だと思ってた。
数少ない話しやすい男の子だなって。
「少しずつでいいから、俺のこと異性として意識してくれたら嬉しい」
結川くんの頬はほんのり赤く染まっていたけど、瞳はとても真剣だった。
「返事はその後でもいいかな?」
「……わかった」
「ありがとう」
ほっとしたように微笑む結川くんを見て、それ以上は何も言えなかった。
私の心はもう決まってる。
私が好きなのはあやくんだけで――今もあやくんのことでいっぱいだ。
だけど、こんなに真摯に告白してくれた結川くんにちゃんと向き合わないと失礼だとも思う。
それからアイスコーヒーを飲み終わった結川くんは、「先に帰るね」と言って立ち去った。
結川くんが帰ってからスマホを見たら、あやくんから「今どこ?」というメッセージが届いていた。
その直後に「さっきはごめん。会いたい」ってきた。