カナリアの教室、秘密の恋を

9.

現在ー…




ハッとして顔を上げた。 

いけない、眠ってしまっていたわ。

ローズヒップティーを飲み終えたティーカップもそのままに机に顔を伏せるように寝てしまっていた。

「…。」

…久しぶりに昔の夢みてしまったわ、亜由ちゃんに会ったからかしらね。

懐かしいわ、あの頃のことなんて思い出すこと何もないのに。

「あ、大変…!」

メイクもそのままじゃない、お肌に悪いわこんなの…!


―ピンポーン… 


チャイムが鳴った、メイクを落そうと洗面所に向かおうとした足を玄関へ向ける。

誰かしら?こんな時間に…

「はい」

まぁ1人しかいなわよね。

私に会いに来る人なんて、他にいないもの。

「崎本先生」

にこりと微笑んで見せて、部屋の中に招き入れる。

「架純、お疲れ」

足を踏み入れると同時メガネを外して、スーツの胸ポケットに入れる。傷付かないのかなっていつも思うけど、特には気にしてないらしい。 

でもそんなこと一瞬でどうでもよくなるんだけど。

そんなメガネの傷なんか考える暇なくなるから。


「…―っ!」


バタンッ、とドアが閉まれば重なり合う唇に温度を感じて体中に熱を帯びる。

この瞬間を待っていたようにしがみついて、離さない。


だからもう何もいらないの。


もう誰も好きにならない、一生恋はしない。


もうずっと先生の中、満たしてくれるのはここしかなくて。



今も満たされ続けてるから、失いたくないのー…
< 38 / 38 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

わたしは安福先輩の何ですか?
めぇ/著

総文字数/69,037

恋愛(学園)102ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
安福(あぶく)先輩には彼女がいるらしい。 そらそーだ、あんなカッコいい人誰もほっとかない。 だから私はモブ、 安福先輩からしたらただのモブにすぎない。 鈴木みらの、高校1年生。 ありきたりな苗字のせいで“2号”ってあだ名を付けられた、 2年の顔はいい久保田先輩に。 すっごい気に入らないけど、 気付いたらみんなそう呼んでいて受け入れるしかなくて。 だけど… 「みらのちゃん!」 安福先輩だけは違うの。 でもね、久保田先輩が言うには 安福先輩にはかわいい彼女がいるらしい。   私に勝ち目なんかないよ、わかってる。 だからやさしくしないでください。 「隣座る?空いてるよ」 これ以上、私の中に入って来ないでくださいー… 私はただのモブなんで。
あの子
めぇ/著

総文字数/187

ホラー・オカルト1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あの子、なんて。
バド×ハピ~きみのことなんか好きじゃないし!~
めぇ/著

総文字数/26,021

恋愛(学園)39ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「ひな頼んだ!」 「はいっ」 シュッと音を立てて勢いよくラケットを振る、 そしたらシャトルが相手コートにシュパッと風を切って向かってー… 「やった♬」 今日もいい感じ!最高!! 「ナイスひなー!!」 わたしたちひなひなは今日も絶好調です! …って呼ばれたくなんかないんだけど。 しかもハイタッチ求めてきて嫌なんだけど。 「ここはパンッ!ってとこだろっ」 「ごめん、陽向に触りたくなくて」 「もっとやんわりした言い方ない!?」 佐藤日向(さとうひなた) バドミントンが大好きで男子が大嫌い。 × 加藤陽向(かとうひなた) 可愛い顔した女装男子。 だけど、その理由は…? そんな2人はバドミントン男女ペア、 偶然ペアになったのに偶然最強なんて 呼ばれちゃって困るんですけど!? わたしは陽向とはペアやりたくない!!!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop