Blue Rose ~不可能な青い薔薇~
「ははっ同時に開けたな!(笑)」
お兄ちゃんも気づいてくれたんだ…。
『本当同時だったね(笑)』
嬉しくてつい笑顔で隣に座ってるお兄ちゃんに顔を向ける
でも…ふと視界に入ったモノにその笑顔は固まり
お兄ちゃんの顔を見つめるつもりだったのに
視界に入ったモノをじっと見つめていた…。
そんな私の様子に気づいたお兄ちゃんは
「どうしたんだ?」
不思議そうに私の瞳を覗き込んで聞いてきた…。
だけど私は惑わされない。
『お兄ちゃん…指輪変わってる。』
左手の薬指に嵌ってる指輪をじっと見つめて指を差し言った
また…変わったんだね?
彼女
「ん?あぁ、コレな?」
そう言って缶ジュースをテーブルの上に置くと
指輪を外した。
「よく気づいたな?お前」
当たり前じゃん…。
好きな人の変化くらい
すぐに気づくよ…。
お兄ちゃん…指輪変わるのコレで何回目?
指輪が変わるってことは
また違う彼女が出来たということ。
『その位…気づくよ。いつも家で顔合わせてんだし』
こうやって誤魔化すのもコレで何度目?
誤魔化すことに慣れた私
なんだかそんな自分が悲しくなる…。