双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
だけど王史郎は、どこ吹く風。
あれだけ宝石の輪っかを出して戦ったのに、疲れとかダメージは皆無らしく、背筋がまっすぐ伸びている。疲れ知らずらしい。
隣に座る私へ向き合い、涼しい顔で説明を始めた。
「あの光る紐は、契約のシルシだ」
「契約のシルシ?
私と王史郎が契約したってこと?」
「そう」
でも、契約って左手の薬指なんだよね?
王史郎が噛んだのは、右手の薬指。
てっきり契約は失敗かと思ったけど……違うの?
「なんで契約が成立したか、俺も不思議だ。ルールを破っての契約だから……何か悪いことが起きなきゃいいけど」
神妙な面持ちだ。私が右手をさし出したことは、相当マズかったみたい。
王史郎と同じく沈んだ顔をしていると、気づいた王史郎が「まぁ」と。やや声色を高くした。
「契約したからにはちゃんとさゆを守るから、安心しろ」
「!」
またまたバグった距離感で、頭を撫でられる。
う、だから近いんだってば……!
顔を隠して「ありがとう」というと、王史郎は満足げに笑った。なんで、ちょっと嬉しそうなんだろう。
そんなに喜ぶほど、私と契約したかったのかな?
そこまでして、私の中にある物を守りたい理由ってなに?