双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「蚊に噛まれた?もう真っ赤じゃん」
「か、噛まれてない……ッ」
身構えたら緊張して、恥ずかしくて……耳が赤くなっちゃった。「見ないで」と、急いで隠す。
「なに緊張してんだよ。血を吸うだけだぞ?あ、飲むって言った方が怖くないか?」
「そ、そういう問題じゃないよ!緊張するんだもん……」
「なんで緊張?」
「だって、初めてだから」
「……ふーん」
一瞬、王史郎の眉がピクリと跳ねる。
また、寂しそうな顔だ。
「王史郎?」呼びかけると、王史郎はハッとした。
「なんでも無い。っていうか〝初めて〟じゃないだろ。契約の時、少しだけど飲んだだろ」
「でも、あんなのは蚊に刺されたと同じだから……」
「だから虫じゃねぇ」と、王史郎の肩がガックリ落ちる。
うぅ、この空気感……!
本当は怖い、怖いけど……。
さっき王史郎には助けてもらったし、泊めてもらってるし……私も、何か返さないとね。
「吸血鬼から血を吸われるのは〝初めて〟なので。お、お手柔らかにお願いします……!」
「……また〝それ〟か」
「え?」
「飽きた」