あなたと運命の番になる
1人になった蘭は店内を見渡す。和真との会話や美味しい料理でいっぱいいっぱいだったが、改めて見ると綺麗な店だなと思う。窓側の席なので外の景色を見る。人がとても小さく見える。自分の家はどこだろうなんて探したくなる。

「あなたさ、和真さんのなんなの?」

蘭は突然声をかけられて振り向く。
そこにはお洒落な服装の女性が3人立っていた。

「えっ・・・。あの・・。」

明らかに敵意がある雰囲気に怖じけてしまう。

「和真さんの彼女ではないでしょ。いくらなんでもダサすぎるもの。和真さんとのご飯が楽しくて周りが見えていないようだったけど、あなたこの店で浮いてるわよ。もう少しましなファッションしてきなさい。和真さんに恥かかせてるわよ。あなたみたいなのが和真さんの隣にいるなんて100年早いわ。なんか弱みでも握ってるのか知らないけど、自分の立場はわきまえるべきね。」

知らない人にここまで言われる筋合いはないが、彼女の言っていることは事実のように思えて、なんと返せばよいか分からない。

「弱みにつけこんで、付きまとってるような嫌な女、和真さんは相手にしてないと思うけど、これ以上一緒にいない事ね。和真さんを狙ってる女性はたくさんいるの。和真さんが前付き合っていたモデルの女ならまだしも、あなたみたいなのなら誰も納得しないから。肝に銘じておく事ね。」

「・・分かりました。」

蘭は下を向いたまま答える。

蘭が凹んでいる様子を見て、いい気味だと思う。わざと、コップに入ったお茶を蘭の方に倒す。

カチャンと大きな音がするとともに蘭のスカートが濡れる。

「あらー。ごめんなさい。大丈夫??」

倒した女性はさげすんだ目で蘭を見る。

「大丈夫です。」

3人の女性はそのまま去っていった。
慌てて店員さんがやってくる。

「すみません。」
蘭は申し訳なくなって店員さんに謝る。

「大丈夫ですよ。お怪我はないですか?」

そう言ってタオルを渡してくれて、ガラスの破片を片付けてくれる。

店員さんに申し訳ないし、注目を浴びているし、さっき言われたことが心につっかえて泣きそうになる。

どうしてもっと早く気づかなかったんだ・・。
こんなダサい私がいていい場所じゃなかった。

みんなの視線が冷ややかなものに思えて辛い。
濡れたスカートを見つめる。

スカートなんて履いて、オシャレなんて身の丈に合わないことするから、こんな目に合うんだ。
調子に乗ってた。

蘭は誰とも視線を合わせたくなくて、俯いていることしか出来なかった。
< 97 / 173 >

この作品をシェア

pagetop