あなたと運命の番になる
「和真さんですよね。ヤマシロ社長の息子さんの!インドでの働き凄かったって聞きました。さすがですね。」

和真は女性3人組に声をかけられる。蘭は3人を見るやいなや下を向く。

「ありがとうございます。急いでますので、失礼します。」

和真は蘭を思い、すぐ話を終わらせる。

「そういえば、どういった要件で今日はこちらに来られてるんでか?戻られてからもお仕事忙しいって聞いてます。体調とか崩されてないですか?よければ今度何か作りましょうか?」

和真とのせっかくのアピールの機会を離さないとばかりに女性は必死に会話を続ける。

「体調のお気遣いまでありがとうございます。私は元気ですので。失礼します。」

和真は丁寧に対応は心がけるが、内心早くどいてくれと思う。

「せっかくなのでみんなで飲み直しませんか?」

ついに1人の女性が誘ってきた。

「今日は急いでますので、失礼します。」

和真は苛立ちを込めて言い、3人の間を蘭の手を引いて通り抜ける。
蘭は通る時の冷たい目線に少し怯えて、手を離そうとする。

和真は手をぎゅっと握り、その場を去った。
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