『後姿のピアニスト』 ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
♪ 男 ♪
「早速、お客様から問い合わせが来ました」
スマホから聞こえるリーダー格社員の声が弾んでいた。
彼は当初東京支社で働くつもりだったが、小児喘息に罹患している一人娘の健康を考えた奥さんに説得されて、岩手本社での勤務を選ぶことになった。
そして、五人の若手社員と共に既に引っ越しを済ませていた。
「『古民家宿を始めたいので相談に乗って欲しい』というメールをいただきました」
待ちに待った問い合わせだった。
「岩手に住んでいる人?」
「そうです。これからメールを転送しますので、詳しくはそちらをご覧になってください」
届いたメールをすぐに開くと、そこに書かれている名前に見覚えがあった。
朝採れ野菜定期便の顧客だった。それも、最初に注文をくれた五人の中の一人だという記憶があった。しかし、都内在住のはずだった。
その人がどうして岩手に?
文面を追うと、今は使われていない実家の古民家で民宿をするために引っ越したと書いてあった。
読み進めていくと、『ピアノの宿』という文字に目が止まった。
すると、音符が踊っているようなデザインの看板が頭に浮かんだ。
その瞬間、客が楽器を弾いて歌っている場面が思い浮かんだ。
人気が出るのは間違いない!
確信に支配されると居ても立ってもいられなくなった。
男の心は一気に岩手に飛んだ。
「早速、お客様から問い合わせが来ました」
スマホから聞こえるリーダー格社員の声が弾んでいた。
彼は当初東京支社で働くつもりだったが、小児喘息に罹患している一人娘の健康を考えた奥さんに説得されて、岩手本社での勤務を選ぶことになった。
そして、五人の若手社員と共に既に引っ越しを済ませていた。
「『古民家宿を始めたいので相談に乗って欲しい』というメールをいただきました」
待ちに待った問い合わせだった。
「岩手に住んでいる人?」
「そうです。これからメールを転送しますので、詳しくはそちらをご覧になってください」
届いたメールをすぐに開くと、そこに書かれている名前に見覚えがあった。
朝採れ野菜定期便の顧客だった。それも、最初に注文をくれた五人の中の一人だという記憶があった。しかし、都内在住のはずだった。
その人がどうして岩手に?
文面を追うと、今は使われていない実家の古民家で民宿をするために引っ越したと書いてあった。
読み進めていくと、『ピアノの宿』という文字に目が止まった。
すると、音符が踊っているようなデザインの看板が頭に浮かんだ。
その瞬間、客が楽器を弾いて歌っている場面が思い浮かんだ。
人気が出るのは間違いない!
確信に支配されると居ても立ってもいられなくなった。
男の心は一気に岩手に飛んだ。