『後姿のピアニスト』 ~辛くて、切なくて、 でも、明日への希望に満ちていた~ 【新編集版】
 なんとか気を落ち着かせて、体を拭いて髪を乾かして、六畳間に戻ると、窓が薄明るくなっていました。
 夜が明けたようでした。
 カーテンを開けると、雨が降っていました。
 結構強く降っていました。
 
 1月3日になっていました。
 隣町の商店街は開いているかどうかわかりませんでしたが、雨が小降りになってきたので出かけることにしました。
 
 傘をさして、バックパックを背負って、駅に向かいました。
 駅前の公衆電話ボックスに入って、昨日書き写したメモを見ながら電話をかけました。
 呼び出し音が7回鳴って電話がつながりました。
 ラッキーなことに隣町のリサイクルショップは営業していました。
 店の人に行き方を確認すると、鉄道は通っていないし、歩くには遠すぎるので、駅前のロータリーからバスに乗ってくださいと言われました。

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