悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
これは本格的に怒らせてはいけない相手だわ、なんて考えていた私の表情をどう捉えたのか、突然パチンと手を叩いたイレナがパッと顔をあげた。
「この時間でしたら丁度訓練に参加されていると思いますよ、見に行きますか?」
「……え、ええっ!?」
見に行くって、まさか私が?
「そんなのダメよ! だって私はただの娼婦でっ」
「大丈夫ですよ、場所はこの公爵城の中ですし!」
“それ全然大丈夫じゃないんですけどっ!?”
買った娼婦がこんな明るい時間から無断で訪ねてくるなど面倒でしかないだろう。
しかも他にも訓練している部下がいる前で、だ。
いくらこの「初夜で妻を捨てる悪徳公爵が娼婦を囲っている」という事実が外に漏れないとしてもあまりいい提案ではないとそう思った。の、だが。
「さあ、行きましょうか!」
「だ、ダメだったら~ッ!」
焦る私の背を押すイレナに連れられ訓練場へと向かったのだった。
訓練場は少し離れた場所にあるらしく、イレナにがっつり腕を組まれる形で歩いて向かう。
邸で働く使用人とすれ違うたびに会釈され私の冷や汗が止まらない。
“どうしよう、本当にいいのかしら”
「この時間でしたら丁度訓練に参加されていると思いますよ、見に行きますか?」
「……え、ええっ!?」
見に行くって、まさか私が?
「そんなのダメよ! だって私はただの娼婦でっ」
「大丈夫ですよ、場所はこの公爵城の中ですし!」
“それ全然大丈夫じゃないんですけどっ!?”
買った娼婦がこんな明るい時間から無断で訪ねてくるなど面倒でしかないだろう。
しかも他にも訓練している部下がいる前で、だ。
いくらこの「初夜で妻を捨てる悪徳公爵が娼婦を囲っている」という事実が外に漏れないとしてもあまりいい提案ではないとそう思った。の、だが。
「さあ、行きましょうか!」
「だ、ダメだったら~ッ!」
焦る私の背を押すイレナに連れられ訓練場へと向かったのだった。
訓練場は少し離れた場所にあるらしく、イレナにがっつり腕を組まれる形で歩いて向かう。
邸で働く使用人とすれ違うたびに会釈され私の冷や汗が止まらない。
“どうしよう、本当にいいのかしら”