クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「は、離して下さい。わ、私、帰ります!」


次の瞬間、俺は現実に引き戻された。
彼女は、キスしたことを後悔するかのように俺を拒否した。


「どうして? まだ一緒にいたい」


「ごめんなさい。私、昔から自分に自信がなくて、だから、こんな夢みたいなこと信じろって言われても……」


「俺も思ってたよ。君に会えた時、これは夢じゃないかって。でも、違うんだ。この出会いは……間違いなく現実なんだ。それに、なぜ君は自分を認めてあげられないの?」


「と、とにかく帰ります。今日はありがとうございました。お邪魔しました」


慌てて靴を履き、逃げるように隣の部屋に駆け込む詩穂ちゃんを、俺は引き止められなかった。


だけど、俺の一生のパートナーは詩穂ちゃんしかいない。
この想いが届くまで、俺は絶対にあきらめない。


彼女への恋心は、もうとっくに「愛」へと変わっていたから――
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