「生きること」
「そうだよ!くる実ちゃんは何も悪くないよ!」
敬ちゃんもわたしを庇うように強く優しく言ってくれた。
でも、どうしても自分を責める気持ちは消えない。
わたしのせいでこうなって、クロキさんを危険な目に遭わせてしまうかもしれない。
そんなことを考えていると、クロダさんがわたしの気持ちを察し、強張った肩の力が抜けるように優しく撫でてくれた。
「クロキと何か約束したんだろ?それなら、クロキを信じて待つんだ。クロキは、必ず約束を守る男だよ。」
クロダさんは優しくそう言ってくれた。
わたしはクロダさんの言葉に笑顔を作り頷いた。
すると、外が騒がしくなってくるのが聞こえてきた。
乱暴な人の声、たくさんの人の走る音。
クロダさんは眉間にシワを寄せると「来たね。」と独り言のようにそう言った。
乱暴な声やたくさんの足音がだんだんと大きくなり、こっちに近付いて来るのが分かった。
わたしは恐怖で身体が震えた。
乱暴な声やたくさんの足音が狙う先がわたしなんだと悟ったからだ。
「ここはもう駄目だね。場所を移そうか。」
クロダさんはそう言うと、座っていた椅子から立ち上がり、「ワシから離れるんじゃないよ。」と言った。
それからクロダさんは敬ちゃんに向かって「あんたは、くる実を後ろから守りな。」と言い、敬ちゃんはハッキリとした口調で「わかった!」と言った。