nonsense magic
2 きみの隣に
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「……ん、」
カーテンの隙間から差し込む柔らかな光に誘われて、開かれた視界がゆっくりと広がっていく。
まだぼんやりとする頭であたりを見回せば、感じる''違和感''にちいさく声が漏れた。
「っ、あ、」
ゆるく繋がれている薬指。ぎゅ、と絡められたそれは、ずっと繋がっていたらしい。すこし異様なその光景がだんだんと恥ずかしくなってきて、視線を下に落とした。
……そうだ、わたし……。
おかゆを食べたあとにまた薬を飲んだきりくんは眠気に誘われるまま寝てしまって、……絡められた指に再び罪悪感を抱いたわたしは、またベッドの横で一緒に眠ってしまったのだ。
なんとなく頭のなかで今の状況が整理できたので、視線を向けていた方へと戻して。
じっと、''そのひと''を見つめてみる。
まるで人形のように綺麗な顔立ち。……瞳が閉じられていることによって、より強調されているような気がする。
スマホで時間を確認すれば、お昼の11時30分。
洗濯物、食器も洗って、布団も干さないと……、これからやることを頭の中で整理する。今日は土曜日だからゴミ回収の日だっけ、なんてぼうっと考えていたら。
「っ……!」
さっきまでは閉じられていたはずの瞳と視線がぶつかって、驚きからびくりと肩が揺れた。
たおやかに細められた黒色の瞳が、やんわりと弧をえがく。
「おはよ」
「おはよう……」
こんなやり取りさえも久しぶりで、なんだかほっこりとした気分だ。
……家にひとがいるって、こんな感じだったっけ。
「体調、どう……?」
「だいぶ楽になった。多分、熱も下がったと思う」
すると、きりくんは額の髪を手でよけて、どう?と首を横に傾げるから、おもわず後ずさりしてしまう。
……わたしが確かめて、ってこと?
たしかに、自分の感覚だけじゃ熱がどれくらいあるとかわからないかも……。