幼馴染はお医者さん

「きり、入るよ」

布団をかぶって職場の人に
まだ復帰できそうにないことをメッセージで伝えてたら愁くんの声がした

「きり、出て来て」

「...」

出ていくわけない顔も見たくない

「話がしたい」

「私は話したくない」

「またそうやって拗ねる
拗ねたきりは可愛くないぞ」

うるさい
もう意味わからないことペラペラ言わないで
私はイライラしてるの

「出てこないなら無理やり布団どけるけど。」

「1人にさせて、ちゃんと脱走せずに病院にいるでしょ」

「じゃあ飯食え」

「...」
それで来たのか

「明日の朝、なんも食わねぇで
下膳したら点滴で栄養いれる
病院にいるのに栄養失調になられたら困るから」

そんな1日食べないくらいじゃならないよ

「いいな、出てこないならそれで話は終わり
また明日」

なにそれ一方的に来て
一方的に話進めて
そして出ていく

私のことなんか何も考えてくれてない
自分のことばっかり

病院にいたほうが体調悪くなるわ

カーテンを開けて部屋を出ていく愁くんに
まくらを投げた

「いたっ」

見事ヒット
振り返った愁くんと目があって
今までにないくらい睨みつけた

「まぁそんなさ不貞腐れるなよ
機嫌直してくれ、頼むわ」

無視をしてベッドにまた潜り込んだ

「きり、しっかり説明するからちょっとだけ話しよう」

「やだ、白衣着てる愁くんと話すことは何もない」

「俺、今日は当直なんだ
1日、病院にいて医者だ」

「なら話すことない」

「わかった、じゃ明日な」

やっぱりいつになっても
医者の愁くんを好きになれる気がしない

嘘つき愁くんのばか
信じて頑張ろうと思った私がばかだった
もう何も信じない
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