白雪姫は寵愛されている【完】




さっぱりした気持ちでお風呂から上がった。
髪をドライヤーで乾かし、リビングに行く。


…珍しいです。


テレビから笑い声が聞こえた。
多分お笑い番組を見ているのだと思う。


朔也くんが滅多に見ない番組。いつもならこの時間ニュース見ているはずなのに。


笑い声が響く。だけど朔也くんは一切笑っていないみたい。テレビの外からは全く笑い声が聞こえてこないから。


……何か、嫌な事でもあったのかな?そうじゃなきゃ、チャンネル変えてるはずだもの。


ソファに座っていた朔也くんが私に気づく。
おいで、と手招きされ隣に腰を下ろした。

ニコッと笑みを浮かべ、私にマグカップを渡してくれる。

寝る前のココアタイム。
いつも飲んでいるものだ。


「はい、どうぞ」


「ありがとう」


これを飲むと、寝付きが良くなる。
だからかな?これを飲まないと眠れない気がする。


ごくっ、


甘いココアが喉を潤す。


「白雪…学校は楽しい?」

「ッ!……た、たのしい…よ…?」


突然の質問に危うく吹き出しそうになった。


「ど、どうしたの?…急に…」

「入学してから大分経っているし、友達でも出来たかなと思って」


……い、言えません。



「あ…は、はい。馴染めてる、よ…」



友達0人。
いつもひとりぼっちだなんて…言えません!



「そう?それは良かった……それと、約束は?守ってくれてる?」


「は、はい。勿論…です!」



青蘭学園に入学する時、朔也くんが猛反対した。

その理由はたった一つ。
そこに朱雀という族がいるから。

幹部が勢揃いの学校に何故態々入るのか、と言わた。



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