白雪姫は寵愛されている【完】
私の入学理由は図書館。
本の所有数は国内トップとも言われてて、場所も学校の一室では収まりきらず、別館になってる。
学園の兄弟校、私立華月学園との共有だけど、一度に300人位が入っても余裕で動き回れるほどの大きな図書館は、本の虫である私にとっては天国そのもの。
一般人も入れるから、中学生の頃から入り浸っていた。
そういえば…あの日、三年前のあの日も。その図書館に行っていた。結局その日は珍しく中に沢山の人がいたから、入れなかったけど。
……あの日、もし入れたら。
八神先輩と会う事は、無かったのかな。
────そんな図書館には一つ。
私にとっては痛いルールがあった。
”一部の本、一般の方は貸出禁止”
そのせいで、私の本当に見たい本が見られなかった。何故なら本が”貸し出し中”になっていたから。
借りられるのは青蘭学園か華月学園の生徒のみ。
そこには本好きにはたまらないレアと言われる本も沢山ある。…でもそれは生徒しか借りれない。
見たくても、貸し出されていれば見れない。毎週のように向かっても、貸し出し中に悩まされる事に。
勿論、優先順位は一般の人よりも自校の生徒が優先されるだろう。そうすれば中々見られないのは当たり前で…我慢するしか無い。
だけど、生徒になれば。
それが減る事になる。
だからこそ、入りたかった。