元体操のお兄さんとキャンプ場で過ごし、筋肉と優しさに包まれた日――。
4.また、会いたい。
「ラーメン美味しい!」
「碧、美味しいね!」
「そう言ってくれて、良かった!」
碧は家では基本ゆっくり食べるけれど、好きなお菓子やおかずの時は食べるスピードがすごく早い。今、ラーメンの食べるスピードも早い。
――碧にとって、本当に美味しいんだね、良かった!
昨日と同じように準備してくれた椅子に座って、三人で朝ご飯。朝からこうやって外で食べるのも、気持ちがリフレッシュして良い。しかも碧とお兄さんもいる。
「そういえば、今更なんですけど。『碧ちゃん』は、名前を呼ばれてるのを聞いたから分かったけど、お母さんの名前もお聞きして良いですか?」
「わ、私ですか?」
「そうです」
まさか、もうすぐお別れなのに、このタイミングで聞かれるとは思わなかった。
「私の名前は、小日向美和です」
「美和さん」
お兄さんから名前を呼ばれると、なんだか不思議な気持ちになった。
「お兄さんは、本名ですか?」
「はい、加賀谷大地です。あと、それと、美和さんの……いや、なんでもないです」
途中で言うのをやめたお兄さん。
続きが気になりすぎた。
「何か言いたいことが?」
「あ、いや……さっき、テントの中の声が丸聞こえでしたけど、すっぴんも、綺麗でした」
「……あっ!?」
金属が擦れるような声を出しちゃった。
なんか色々と恥ずかしい――。
「それと……」
いつもは、爽やかで余裕があるお兄さん。でもなんだか、今はモジモジお兄さんになっている。
「碧、美味しいね!」
「そう言ってくれて、良かった!」
碧は家では基本ゆっくり食べるけれど、好きなお菓子やおかずの時は食べるスピードがすごく早い。今、ラーメンの食べるスピードも早い。
――碧にとって、本当に美味しいんだね、良かった!
昨日と同じように準備してくれた椅子に座って、三人で朝ご飯。朝からこうやって外で食べるのも、気持ちがリフレッシュして良い。しかも碧とお兄さんもいる。
「そういえば、今更なんですけど。『碧ちゃん』は、名前を呼ばれてるのを聞いたから分かったけど、お母さんの名前もお聞きして良いですか?」
「わ、私ですか?」
「そうです」
まさか、もうすぐお別れなのに、このタイミングで聞かれるとは思わなかった。
「私の名前は、小日向美和です」
「美和さん」
お兄さんから名前を呼ばれると、なんだか不思議な気持ちになった。
「お兄さんは、本名ですか?」
「はい、加賀谷大地です。あと、それと、美和さんの……いや、なんでもないです」
途中で言うのをやめたお兄さん。
続きが気になりすぎた。
「何か言いたいことが?」
「あ、いや……さっき、テントの中の声が丸聞こえでしたけど、すっぴんも、綺麗でした」
「……あっ!?」
金属が擦れるような声を出しちゃった。
なんか色々と恥ずかしい――。
「それと……」
いつもは、爽やかで余裕があるお兄さん。でもなんだか、今はモジモジお兄さんになっている。