推しにおされて、すすむ恋
「わ、忘れてください!
それで、あの……さっきの話は……」
「もちろん。誰にも、メンバーにも言わない。
ステラの気持ちも、分からなくはないし」
そう言って、私を見つめる綾瀬くん。
初めて向けられる、憂いのある瞳。
今の綾瀬くんは、私じゃなくて……お姉ちゃんを見てる気がする。
「ステラのワガママに、少しだけ付き合ってあげる。だから小鈴さん、ヤタカとリムチ―にバレないよう、頑張ってね」
「あ、ありがとう」
「じゃあ、また」
サッと手を振る綾瀬くんに、胸をなで下ろす。
綾瀬くん、黙っててくれるんだ。
良かった……!
「ん?」
待って。
今まで普通に喋ってたけど、さっきの言い方だと……!
「綾瀬くんが、ノア!?」