チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

そして、いよいよシチロー達と別れる事となったその日。


久しぶりに江戸城へと戻って来た光圀は、最後に何かの記念にとシチロー達を客人として城へ招いた。


「キャア~~♪
すっご~い♪お城よ!お城!」


選ばれし者のみしか入る事の出来ない江戸城の天守閣。そこへと続く廊下で子供のようにはしゃぐ子豚とひろきを、光圀が遠慮がちにたしなめる。


「子豚さん、ひろきさん、申し訳無いがこの先には上様のいらっしゃる広間もあるのじゃ……あまり騒がぬように!」


光圀は、今回のこの事件の一部始終を直ちに将軍に報告していた。


そして、できる事ならこの四人を城に招いて、労いの言葉のひとつでもかけて欲しいと将軍に願い出たのだった。


「これから、あなた達四人には、上様とのお目通りをして頂きます。
上様がこ度のあなた達の手柄に対し、労いのお言葉をかけて下さるそうですよ♪」


「えっ?上様と会うの?アタシ達……」


初めて光圀からその事を聞かされたチャリパイの面々は、緊張と好奇心にどよめいた。


「上様って、日本で一番偉い人よね♪
どんな人なのか、な~んか楽しみ♪」


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