甘さなんかいらない
「海、いつぶりかな」
「俺は小学生ぶり」
「あたしもそれくらいかも」
心を落ち着けながら車から降りて瑛くんと横に並んだら、また無許可にあたしの手を取った。
見上げたら君はいつもと変わらず涼しげな笑みを浮かべている。
あーーもう、いくらあたしが自分を納得させたって、いとも簡単に崩れ落ちる。甘い毒がずっとあたしを蝕む。
「こういうの、ゆずだけにして」って分不相応な言葉が危うく出そうになった。しっかりして、あたし。