神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜
「それだけで良いんだ。…彼女は、お前と共に居る時が、一番幸せそうだから」

「…それは」

「…頼む」

いつになく真剣な声と眼差しに、俺は思わず二の句が継げなかった。

…だけど。

「…言われるまでもねぇよ」

俺だって、ハナからそのつもりだ。

あんな手のかかるヤツ、放っておきたくても放っておけねぇからな。

…お前に頼まれなくても。

でも…だけど。

…何でそんなことを言うんだ。

それじゃお前、まるで…。

「…クロティルダ。お前何を…」

「何も心配は要らない。…お前達のことは、必ず守る」

「お前、何訳分かんないこと言って…!」

一方的に、そう言い残すなり。

クロティルダは、ろうそくの火を消すように、ふっと消えてしまった。

「あっ…!」

…何処行きやがった。あいつ。
< 489 / 562 >

この作品をシェア

pagetop