華の咲きかた
12月、中旬。
待ちに待った免許を取り終えた綾は、翌日に予定していたフォアの納車を待ちきれず、沼田君の所にフォアを引き取りに行くと言い出し、私も付き合わされた。
「沼田君…ありがとう」
バカ騒ぎするかと思ったら、
綾は綺麗に仕上げられたフォアのタンクに手を置き、沼田君にお礼を言った。
「おう、名車って言っても古いバイクだから、メンテナンスはしっかりしろよ」
「うん」
店の外にフォアを運ぶと、綾はエンジンをかけ、
黒いショート管から聞こえるフォアの産声を聞いた。
「…初めまして、綾だよ」
アイドリングの音が、早く綾を乗せて走りたいと言ってる様に聞こえた。