華の咲きかた
京介は椅子から立ち上がり、私の流した涙を、ガソリン臭い手で軽く拭くと、
他の客が見ているにも関わらず、
私を抱きしめた。
「先輩…」
私の大好きな‥‥‥‥京介。
「優香と居るの…
しんどくなってきた…」
「……。」
あの時の涙は多分、
脳で理解出来なかった事を本能が、私の身体を通して、警告していたんだ。
でも、気付いたからって、それがなに。
私は何も変わらない。
京介は優香の好きな男。
それ以上でなければ、それ以下でもない。
だから私は、
京介の胸を押しのける。
「…約束は守ってね。
それと、優香さ…
昨日、ちょっとへこんでたみたいだよ。
ちゃんと…優しくしろよ」
「……。」
好きだからって、
それがなに――