専属執事は愛するお嬢様を手に入れたい
「あれは本気ですよ、執事なので本気だと思われなくても仕方ないかもしれませんが……。でも、今はもう執事ではなく婚約者なので、信じてもらえますよね?」

 少しかがんでエリスの顔を覗き込むと、エリスは両手を口元に置いて目を見開く。

「本当に……?」
「本当に。いい加減信じてくださいよ」
「……嬉しい!」

 ふわっと花が咲くように笑うエリスを見て、今度はディルが目を見開く番だった。

(……やばい、可愛すぎる)

「エリス様、……いや、エリスって呼んでいいか?」

 ディルの問いに、エリスは盛大に照れながらも静かにうなずいた。

「エリス、俺はエリスのことがずっと好きだった。従者として仕えている以上、この気持ちは絶対に隠し続けなきゃいけないと思っていたけど、今は違う。エリスが好きだ。結婚して、エリスだけを一途に思い続けると誓うよ。だから、エリスも誓ってほしい、俺だけを一途に思うって」
「私も、ディルのことがずっと好きだった。でも好きになっちゃいけないと思って……こうしてディルと一緒になれるなんて夢みたい。私も誓うわ、あなたのことをずっと一途に思い続ける」

(本当にやばい、可愛すぎてヤバイ、どうにかなりそうだ)

 涙を浮かべて嬉しそうに笑うエリスの頬に、ディルはそっと手を添える。

「キスしても……?」

 エリスは一瞬驚いたが、赤かった顔をさらに真っ赤にして静かにうなずき、そっと目を瞑った。エリスに顔を近づけると、薄く色づいた可愛らしい唇にそっと口づける。柔らかい感触に胸が高鳴り、ディルは唇を離すとエリスを見つめた。エリスはゆっくりと目を開いてディアを見る。目が合って、ディアの胸はさらに高まった。

 これ以上はダメだ、きっと止まれなくなる。そう頭ではわかっているのに、ディルはすでにもう止まれなくなっていた。

 もう一度ディルはエリスに口づける。何度も何度も口づけると、エリスはディルの腕を掴んで引っ張る。

「デ、ディル、待って……」

 そう言うエリスは頬を染めて涙を浮かべている。その様子は煽情的で、ディルの中で何かがプツリ、と切れた音がした。

「ごめん、待てない。エリスが可愛すぎて無理だ」

 そうして、ディルの溺愛が始まった。


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