90'sシリーズ/外伝
それから数時間後の事だった。
私達の暮らすモーテル跡地の扉が、突然ガチャッという音と共に開き、ソファーに横になっていたイアンが身体を起こした。
「…マックスか?」
『………』
入り口のある隣の部屋とここには隣の隔ては無く、耳を澄ませてみると足音は一つではなかった。
「よう、けっこう良い暮らししてるな」
「!!」『………』
突如、私達の所へ現れたのは、昨日車の中から発砲してきた二人組の男で、イアンはとっさにソファーから飛び起きた。
「ここらをしきるアイルランド系の人間は物分かりが良いな。お前らの事を聞いたらスンナリここを教えてくれたよ」
車を運転していた、16.7才位の男が私達の前にあるソファーにドカッと腰を降ろし、発砲してきた子供は彼の後ろに立ってニヤニヤと笑っていた。
「…なんの用だ」
「ヤリに来たんだよ、そこのアジアと」
「っ…」
イアンが拳銃を抜くと、後ろの子供も同時にイアンに拳銃を向けた。
「やめとけよ、オレらはギャングだ。全員死ぬ事になるぜ、お前らも仲間も」
「くっ……」