御曹司たちの溺愛レベル上昇中


小鳥遊くんはぎこちなくも小さく頷くと、顔を上げてわたしを見据えた。


「中学の時から、お前とは話す機会が多かったし……小鳥遊グループの人間だってことは自分から伝えたいって思ってたん、だ……けどな」


でも、と小鳥遊くんは続ける。


「結局言えずじまいでいたら、こんな訳わかんねぇバレ方するし。……しかも同居って展開だし。俺が話聞いてねぇのも悪いけど」


同居することになったのはわたしの家の事情だけど、わたしに伝えたいって思ってくれてたのが、素直に嬉しい。

頭をかきながら小鳥遊くんは立ち上がって、ドアの前で止まった。


「ずっと……お前を騙してるみたいでモヤモヤしてたから、こんな形になったけど、これはこれで悪くなかったって思うことにする。でも、直接伝えられてなかったのは……ごめんなさい」


背中しか見えないけど、小鳥遊くんの優しさが伝わってくる……。
ごめん、じゃなくてごめんなさいって。


「うん、ありがとう。あと……これからよろしくね?」

「あぁ……わかってる。なんかあったら言え」


部屋を出ていこうとする小鳥遊くんは、何か思い出したようにこちらを向いた。


「ん?」
「ドア」


ドア?


「ちゃんと閉めとけよ。一応、女子だろ?一応な」


い……


「一応ってなにっ!」


あははっ、と笑いながら小鳥遊くんは出ていった。

< 23 / 250 >

この作品をシェア

pagetop