宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
相変わらずの背筋が伸びるような独特の冷気。

地下室は鳥肌の立つような寒さでもって、俺を出迎えてくれた。

その石段をゆっくりと降りていくと。

「あら、来たのね修内太」

地下室の中央。

石畳の床を踏みしめて、メグが腕組みして立っていた。

「こっちの準備は出来てるわ。あれがそうよ」

そう言って彼女は顎をしゃくる。

その先には、古びた宝箱が置いてあった。

大きさはスーパーの買い物カゴ程度。

赤茶けた箱に、真鍮製の縁取りが施されている。

よくRPGとかで、迷宮に点在しているのと同じような宝箱だ。

もっとも、この中に入っているのは伝説の剣でも最強の鎧でもなく、翼の生えた竜の出来損ないらしいが…。

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