リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
こんなことをしておじい様に叱られないのだろうか。
子供時代を一緒に過ごしたから涼成くんのおじい様のことも私はよく知っている。
TAKIGAWAホールディングスという大企業を圧倒的な存在感と確かな統率力で率いていくほどの貫禄があり、厳しく頑固な性格な人だったのを覚えている。
とある理由がきっかけで一度だけ涼成くんのおじい様に叱られたことがあるのを思い出して身震いした。
「そこで柚葉に相談なんだが、しばらく俺をこの家に置いてくれないか」
「えっ?」
突然の頼みにきょとんと目を丸くする。それからすぐに首を横に振った。
「無理だよ。ほら、私の家狭いし」
「それでもふたりぐらい寝られるだけのスペースはあるだろ」
そういう問題じゃなくて!
「他の人に頼んでよ」
「それはできない。俺の交友関係はほとんど祖父に知られているからすぐに居場所が見つかる。その点、ここは安全だ」
そう言われても……。
「明日の見合いが終わるまででいい。頼む」
涼成くんが頭を下げる。そんな彼を前に私は戸惑ってしまう。
「いきなりそんなこと言われても……」