みんなだまされてますっ!~取り扱い注意なウラの顔×4⁉

「やっと活動してるところに遭遇できたの!」

 澪くんは少し困ったように視線を逸らした。

「澪くん?」

 なんだか澪くんのようすが少しおかしい。

 私はじっと澪くんの瞳を見つめた。

 澪くんは観念したように口を開く。

「…そのケーキ、作ったの俺なんだけど…」

「ええっ!!じゃ、じゃあもしかして、お菓子作り部のひとりきりの部員って……」

「……俺だよ」

「そう、だったんだ…!」

 ずっと探していたお菓子作り部の部員さんが、こんなに近くにいたなんて…!

「がっかりしたか…?」

 澪くんは私のようすをうかがうように訊いてくる。

「そんなわけないよ!むしろすっごくうれしい!」

「え…?」

「澪くん、料理上手だもんね!ケーキも作れるんじゃないかなぁ、って実は思ってたから」

 私の言葉に、澪くんはほっとしたように胸をなでおろした。

「そうか…」

「でもどうして教えてくれなかったの?私がお菓子作り部探してたの知ってたでしょ?」

「そうだけど…。言ったらぜったいケーキ作って作ってってうるさく言うだろ?」

「それは…言う!」

「だろ?ひとに食べさせるようなものじゃないから」

 澪くんは言いながら机に置いてあるケーキを冷蔵庫に片付けようとする。

 私は澪くんに飛びついた。

「ち、ちとせっ!?」

「食べさせてっ!」
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