【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜


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そんな初々しい初出勤の日から1ヶ月ほどが過ぎた頃には、すっかり私のポンコツ具合に周りの社員の方々も気が付いたみたいで。

「……芳野ちゃん、ごめん。せっかく作ってくれたグラフなんだけど全部…一行ずつズレてる」


「芳野……社内報で社長の漢字間違うのはNGだよー…悪いけど、やり直してくれる?」


「わわわ、それは両面印刷じゃない資料だよ!ストップストーップ!!!」



毎日が失敗の連続で…「すみませんっ!」という私の謝罪の声が部署に響かない日は無かった。



SNSを駆使して動画サイトを見たり、動画の編集や画像を加工する知識は無駄に備わっているものの…ExcelやWord、、PowerPointといったビジネスで役立つようなソフトの知識は学校で教わったレベルのことしか出来ない。



いや、その前に…漢字を打ち間違えてしまったりコピーがまともに出来ないという、社会人として無能な人間だということは、早くも皆に伝わってしまっているようだった。



「……芳野、ちょっといいか?」



芳野さん、なんて呼んでくれていたスパダリ部長も今となっては私の事なんて呼び捨てで…毎回呆れ顔をした部長に名前を呼ばれる度に、また何かやらかしてしまったのか…と落胆する毎日だった。



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