一ノ瀬さん家の家庭事情。LAST season
memory:9
部活も引退していよいよ本格的な受験モードに入ったあたしたち。

と言っても、なかなか成績は上がらなくてモヤモヤする日々を送っています。

「だから!そこはこっちの公式を使うの!」

今回の期末テストでは苦手な数学のコーチとしてミカリンがついてくれることに。

優兄は秋からの留学に向けて忙しそうだし、玲も受験生だから流石に勉強を教えてもらうことは遠慮してる。

「愛はすみれが丘の栄養だっけ?」

ミカリンが偏差値や学部の情報が載っている進路本をパラパラめくりながら言う。

あたしは頷いた。

今の所の第一志望は家から電車で通えるところにあるすみれが丘女学院大学の栄養科。

基本的に栄養系は理系に分類されることが多いらしく、バリバリ文系のあたしは必死で数学の点数を上げようとしている。

文系からも受けられないことはないし、今から努力すれば間に合うって神崎先生も言ってたからそれを信じるのみ!
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