he said , she said[完結編]
彼女たちの半数がお小遣い目当てのいわゆる「ギャラ飲み」だったのもあるだろう。
自分の若さと美しさを金銭に換える割り切りのよさは、過ごしていて気楽なものだが、むろん本命にはなり得ない。

モデルやタレントを称する女性たちは、案外しおらしいものだった。
自分が商品である世界で、ショーウィンドウに並べられていながら目を向けられない現実を日々痛感しているせいだろう。

アナウンサー、キャスター、リポーターといった肩書きがつくと、知性なるものも採用項目に入ってくるせいか、ねじくれている印象があった。
(くすぶ)っている自分への焦りや、売れっ子への妬みを滲ませながら、チャンスや転機といったものの訪れを渇望している。

いちばん面倒なのが、キャビンアテンダント・広告代理店・マスコミ業界・人気アパレルなどに勤める女性たちだった。
企業に勤める社員という安定した枠に収まりながら、自分は何者かであると思っている一般人ほど扱いづらいものはない。
あの中国語が喋れるとかいう村瀬真希もそこに入りそうだ。

行き着くところ、直弥は “普通” の女性を求めているのだ。
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