エリートなあなた


真っ直ぐなダークグレイの瞳が扇情的で、どこにも逸らせず見つめたまま。


「…い、ます」


心臓が飛び出てしまいそうなほど、ドキドキしながら紡ぎ出した答えなのに。



大きく肩を落とした課長は、そのままアスファルトへしゃがみ込んでしまった。



「どうしました!?」


突然のことに慌てて、私もその隣へ覗き込むようにしゃがみ込んだ。



「…やっぱり、な。――松岡だよね、」


「は?ち、違いますよ!

そんな訳ありませんっ!」


ちらりと一瞥して紡がれたフレーズに一瞬、固まった。



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