エリートなあなた


栗色の髪とダークグレイの瞳を持つ二重の目。高い鼻梁と、キュッと上がった口角の彼。



パーツ自体ははっきりしているのに、くどさがない。すべてがバランス良く配置されているせいだろう。



それを引き立てるシャープな輪郭がまた、独特の男らしさを醸し出していると思う。



「来週からよろしくね、吉川さん」と、その顔を穏やかに破顔してくれた課長。



「わっ、私の方が…!

何卒よろしくお願いいたします!」


「ハハッ、また律儀なことで。…さっきの件は心配ないから」


噂が広まらないという確信も確証ないのに、コクンとすんなり頷いてしまった。


――この綺麗な顔に慣れる日が来るの?…来週から彼は、私の直属の上司になるのに。



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