エリートなあなた


本音を覗かせれば――これほど対応に困惑する、と思わせた男性も中々いない。



「…で、何が聞きたいの?」


私の反応にようやく満足したのか、視線をPC画面へ戻すと、くつくつ笑いながら聞いてくる。



カチカチと音を立てマウスを操作している手は、意外にも細長くて綺麗だなと思った。



そして私もPC画面へ身体を戻すと、議事録作成をしながら尋ねることに。



「あ、ええと、ウチの会社は製造業ですよね?」


「そうそう。銀もワイヤーもアルミとかたくさん扱ってるよね」


「この品のように、美容関連の製品が去年も発売されてるので、…どうしてかな?と」


言い終えて隣を一瞥すると、こちらを向いた松岡さんと目が合う。真っ黒な瞳から答えを探ろうとすれば小さく笑われた。



「んー…、これはあくまで俺の見解だけど。

この業種はコレを作らなきゃいけないって決まりはないと思う」


「どういうことですか?」


「製品を作る時に必要な材料も、普通に使用していればただの材料としかみえない。

でも、たまたま美容効果があったらどうする?それを売り出さないテはないでしょ?」


「つまり、副産物が化けた結果…」


「まっ、そーいうこと!」


本格的にPCと向き合い始めた松岡さん。私もまた議事録を作成中に出てきた、成分や品名にさっそく興味が湧いていた…。



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