(一)この世界ごと愛したい
今日の夜行きたいところがあると言っていたるうは、時間がヤバいと言い出した。
「リン、とりあえず着替えろ。」
相当時間が押してるのか、るうは部屋を出てどこかへ行ってしまった。
「時間言っといてよ!?」
そしたらちゃんと起こしたのに!!!
私はぶつぶつ言いながらも自分の準備を済ませる。それは大急ぎで。
そしてるうの後を追って部屋を出てみる。
「るうー!?」
「ちょっと待ってろー。」
るうを呼ぶと姿は見えないが、どこからか返事は聞こえる。
恐らく下から聞こえたな。
「るうるうるう!!!」
「あーもううるせえな。」
「何してるの!?」
「飯の準備。」
厨房っぽい場所でるうを発見。
使用人さん達と一緒に、何故かご飯の準備をしている模様。
「え、出掛けるんじゃないの?」
「ああ。ただ時間ねえから、ここで急いで食うか持って行くか悩んでる。」
「食べなきゃいいじゃん。」
「お前はまたそうやって食うこと怠るな。元気に健康体で帰さねえと、俺は王妃に会わせる顔がねえんだよ。」
どこまでも律儀だな。
しかし、るうが寝入ってしまったのがそもそもの原因な気がする…とはもちろん言えません。
「目的地ここから遠いの?」
「あーまあぼちぼち。」
私たちは結局この場でつまみ食い。
使用人さんたちも苦笑いを浮かべているけど、時間がないらしいので気にしません。
「ぼちぼちじゃわかんないよ!最悪私飛ぼうか!?」
「あ、それいいな。」
「高度落として目立たないように飛ばなきゃだけど。あ、これ美味しいね。」
「調味料ついでに教えてもらった。ハルも好きそうだし少しもらって帰ろう。」