(一)この世界ごと愛したい
「リン!!!」
「るう、早かったね。」
一番に私に追いついたるうは、それはそれは怒りの色が強くて。
「一人で動くな。」
「ちゃんと待ってたよー。」
「トキが慌てて今向かってる。めちゃくちゃキレてたぞ。」
「…え、怖い。助けて。」
トキがキレてるのは流石に怖い。
るうには知らんと突っぱねられ、私は後ろから迫り来る恐怖を待つだけの状態になった。
「ねえ。」
「ごめんなさい。」
「謝るくらいなら勝手なことしないで。」
「はい。」
到着早々トキは私を地面に足を着けさせて、お説教を始める。
「時間惜しいからみんな先行ってて。」
「え、じゃあ私も…」
「リン?俺の話聞いてる?」
逃げようと思っても許してもらえず。
もうどれくらい行軍を見送ったか分からなくなったところで、ようやく解放された私。
…トキは怒らせてはいけません。
「早く先頭行くよ。」
「…はい。」
もう項垂れる私を元気付けようとシロが頭を寄せてくれ、少し元気になれた。
その頭をよしよしと撫でて、再び騎馬。
「もう戦場だね。」
「うん。」
長いお説教だったので、先頭は既に戦場に到着してしまっただろう。
「アキトが飛び出してないといいんだけど。」
「トキ大変だねー?」
「分かってるなら余計なことさせないでくれる?」
「すみません。」