メールチェッカー 【2】

「30のオバサンがしゃしゃり出てくんなっつの!

早人もこんなメール送るから、相手が勘違いするのにさ……あームカつくっ!」


高校生の自分は、まだ同じ土俵にすら上がれていないのがもどかしい。

早人の彼女が17歳の小娘だと知ったら、麻生はきっと鼻で笑うに決まっている――。


見えぬ相手の含み笑いを想像し、泉美はキリキリと奥歯を噛みしめた。




一通り確認し終えると、携帯をしまって何食わぬ顔で支度を再開する。

だが、どうしてもその後、風呂から上がってきた早人と目が合わせられなくなってしまうのが唯一の難点だ。


こんなんじゃ、黙って携帯見てるのがバレちゃうじゃない……。


わかってはいても、悔しさの方が勝ってしまう辺り、自分はまだまだ子供なのだろうかと自己嫌悪に陥る泉美だった。

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