地雷カプブルー
バスの窓枠にひじをのせる。
手の甲に頬をあて、悲哀に染まる瞳で夜空を見上げてみた。
なに自分勝手なことを思っているんだと、呆れてしまったんだろう。
月は隠れてしまった。
闇夜に広がる雲の後ろでほんのりと光をこぼすだけ。
バスの揺れが不快でたまらない。
6年前に固めた俺の決意を崩そうとする。
あの頃は、お互い関わらないことが輝星のためだと思いこんでいた。
俺が今まで通り独占していたら、輝星がいつか天国に行ってしまうんじゃないかと怖くてたまらなかった。
一緒にいたくて。
大好きで。
手放したくなくて。
俺だけの世界に閉じ込めたくて。
輝星にも同じ思いでいて欲しくて。
でも怖くて。
死なないで欲しくて。
守ってあげたくて。
輝星には幸せになって欲しくて。
いろんな感情に襲われた小6の俺は、嫌われるくらい酷く輝星を突き放すことで、輝星の幸せを願っていたんだ。