青空
「それでは次のニュースです。」

テレビモニターの奥にいる背広を着た30代のアナウンサーが、表情ひとつ変えずにニュースを読んでいる。

亜季は多少の苛立ちを覚えながら、食い入るようにその画面を見つめた。


「東北の…県にミサイルが打ち込まれた件に関する続報です。負傷者の治療に当たっている…大学病院より、携帯による動画が届きました。」

アナウンサーがそう言うと、画面が切り替わった。


どこかの会議室であろうか。

粒子の粗い画像で、長テーブルの奥には、初めて見る二人の男性が映っていた。


そのうち初老の男性が誰かは分からなかったが、隣に座る学生のような男性が誰であるか、亜季には分った。


「我々は少ない物資の中、懸命に治療に当たってきました。」
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