海よりも深くて波よりも透明
そして、夜…。



「おかえりー!」

「…なんでいんの?」

「ママに泊まる許可もらってきた! 夏葉が治るまで泊まり込みで夏葉の介護しまーす」



というわけで、あたしは今、夏葉の部屋。



ママをなんとか説得して、週に一度帰ることを条件に、夏葉が治るまで泊まる許可をもらったんだ。



「まじ? 最高だな」



夏葉がそう言ってあたしの頬を撫でた。



この手があたしは大好きだ。



ていうか夏葉が治るまで泊まれるの嬉しすぎる!



あたしどんだけ好きなの!



「そよ子さん怒ってなかったか?」

「全然! むしろ心配してたよ。ご飯も作って持たせてくれた」



あたしは思い出したようにそう言って、夏葉の冷蔵庫を開けた。



「ほら、勝手に入れたけど、肉じゃがとかロールキャベツとかきんぴらごぼうとか色々」

「まじ!? そよ子さん大感謝…」

「お大事にーって言ってたよ」

「つーか」



夏葉がそう言ってあたしを片腕で軽く引き寄せた。



「なに?」

「穂風治るまでいんだったら治らねえ方がいいな?」

「なに言ってんの!」



心配だからまじで早く治ってほしいよ!



あたしも一生ここ泊まってたいけど…。



でも夏葉もあたしのことめちゃくちゃ好きなんだね。



超うれしい。



「早く治していっぱい色んなことしよ?」



あたしがそう言うと夏葉がニヤニヤ笑った。



「ナニしてくれんの?」



何か変なこと想像してる…。



あたしは笑顔で返した。



「なんでもしてあげるよ?」

「……お前エロいな」

「夏葉のせい」



夏葉が面食らった顔をした。



勝った!



「にしても、サーフィンできるまで2ヶ月弱ってやばいね。あたし、1週間サーフィンできないだけで耐えられない…」

「本当にな。収入影響するからやべえし」

「あたしが養ってあげるよ」

「ははっ、頼もしいな」



そのとき、夏葉のスマホに着信が入った。



スマホをのぞき込むと、『絵奈』の文字。
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