海よりも深くて波よりも透明
~穂風~
夏葉はいつも門限の1時間前には家に帰す。
あたしはギリギリまで一緒にいたいのに。
「万が一遅くなって穂風の親の信用損ないたくねえ」だって。
大人だよね…。
さっきナナで夏葉のアプリの話を聞いてショックだったし腹も立ったけど、そのあと夏葉があたしのこと大切に考えてくれてたことだったと知って純粋にうれしかった。
そういう大人の分別あるところも好き…。
知らない年上のセクシーお姉さんと一晩飲み歩いたのはシンプルにムカつくけどね!
ナナから20分くらい車を走らせ、あっという間に家。
あたしには世界一短い20分に感じる。
「着いたぞ」
「ん…。じゃあね…」
名残惜しく夏葉の顔を見つめてから、ゆっくりと車を降りようとした。
ぱしっと腕を捕まれて、一瞬のうちに目の前には夏葉の顔。
そのまま息のつく間もなくキス…。
今日だけで何回キスされたんだろう。
夏葉はキス魔神だ!
唇が離れて、夏葉の顔と1センチの距離でしばらく動きが止まってから、夏葉がハンドルに「あ~…」と頭をつけた。
「どうしたの…?」
「まじ…無意識…」
「えっ?」
「俺、そもそもこんな人間じゃねえの。外でキスとかしねえし…」
そうなの…?
今日、めちゃくちゃされたけど…。
え、なんかすごく嬉しい…。
「ほら、早く家入れ…」
「あ、うん…。じゃあね…」
「ん。あとで電話する」
なんだかぼんやりしたまま車を降りて、家に帰った。
家にはパパとママの2人。
いつもはどちらか片方しか家にいないから、2人が家に一緒にいるとやっぱり嬉しい。
「ただいまー」
「おかえりー。あんた最近帰り早いね」
「うん。夏葉が早くあたしを家に帰すから…」
夏葉はいつも門限の1時間前には家に帰す。
あたしはギリギリまで一緒にいたいのに。
「万が一遅くなって穂風の親の信用損ないたくねえ」だって。
大人だよね…。
さっきナナで夏葉のアプリの話を聞いてショックだったし腹も立ったけど、そのあと夏葉があたしのこと大切に考えてくれてたことだったと知って純粋にうれしかった。
そういう大人の分別あるところも好き…。
知らない年上のセクシーお姉さんと一晩飲み歩いたのはシンプルにムカつくけどね!
ナナから20分くらい車を走らせ、あっという間に家。
あたしには世界一短い20分に感じる。
「着いたぞ」
「ん…。じゃあね…」
名残惜しく夏葉の顔を見つめてから、ゆっくりと車を降りようとした。
ぱしっと腕を捕まれて、一瞬のうちに目の前には夏葉の顔。
そのまま息のつく間もなくキス…。
今日だけで何回キスされたんだろう。
夏葉はキス魔神だ!
唇が離れて、夏葉の顔と1センチの距離でしばらく動きが止まってから、夏葉がハンドルに「あ~…」と頭をつけた。
「どうしたの…?」
「まじ…無意識…」
「えっ?」
「俺、そもそもこんな人間じゃねえの。外でキスとかしねえし…」
そうなの…?
今日、めちゃくちゃされたけど…。
え、なんかすごく嬉しい…。
「ほら、早く家入れ…」
「あ、うん…。じゃあね…」
「ん。あとで電話する」
なんだかぼんやりしたまま車を降りて、家に帰った。
家にはパパとママの2人。
いつもはどちらか片方しか家にいないから、2人が家に一緒にいるとやっぱり嬉しい。
「ただいまー」
「おかえりー。あんた最近帰り早いね」
「うん。夏葉が早くあたしを家に帰すから…」