The previous night of the world revolution
何がどうなって、こうなったのか。

昨日の同じ時間は、ねぐらでのんびりと、野良猫と昼寝していたというのに。

今日の俺は、なんとマフィアのボスと優雅にお茶会している。

しかも、二人きりで。

どうなってるんだ。俺の人生は。

あまりの緊張で、頭がふらふらしてきた。

それなのに目の前のマフィアさんは、楽しそうにお茶を飲んでいた。

貫禄が凄まじいな。

「アイズが来なくて残念ね…」

しかし、アイズがお茶会をパスしたのがちょっと寂しいらしく、しょぼんとしていた。

「昨日はよく眠れた?」

「あ、えぁ…はい」

「そう。それは良かったわ」

「…」

「それに、その服もよく似合うわね」

うふふ、と楽しそうに笑うアシュトーリアさん。いや、あの。嬉しくないです。

「はぁ…えっと、この服はちょっと…」

「…嫌なの?」

「えっ?いや…嫌ではないですけど…」

内心物凄く嫌だが、きっぱりと嫌です!なんて言ったら逆鱗に触れかねないので、そう答えておく。

「そう…。仕方ないわね。じゃあ今度、あなたに合う服をオーダーメイドしましょうね」

「い、い…えぇ…?」

「楽しみだわ。あなた顔が可愛らしいから、何着ても似合うわよ。どんな服にしようかしら」

るんるんしてるところ申し訳ないですが、俺のマフィア加入は決定事項なんでしょうか。

「…あの、俺…」

「?何かしら」

ちゃんと言わなければ通じないらしいと、俺ははっきり口にすることにした。

危険ではあるけど…このまま有耶無耶にマフィアに入れられるよりましだ。

「ほん…本当に、俺はマフィアに入るんですか…?」

「…気が進まない?」

「いえ、その…何て言うか…自分がそんな、大した人間だとは思えなくて」

俺は所詮、路地裏で薄汚い男を相手にする程度の人間だ。

マフィアに入ったって…所詮、弾除けになって死ぬくらいしか、俺に役目はないだろう。

「…あなた、貧民街で娼夫をしていたそうね」

「…」

「アイズに聞いたわ」

否定することも出来ず、俺は頷いた。
< 80 / 626 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop