女嫌いな年下のおとこのこ


普通なら空気を読んで退散するところだが、相手が瑞希となると話が違ってくる。


「ねえ、お一人なら一緒に飲みましょうよ〜」


女はほろ酔いで頬も紅潮しており、気が大きくなっているのもあるだろう。

瑞希の腕に手を絡ませようとしているのを見て、咄嗟に身体が動いた。


「あ、あのっ」


聖の声に反応した二人の視線が一気にこちらへ向く。

考えるより先に声をかけていた為この後のことが全く頭に無く、聖はどうしていいか分からずしどろもどろしていた。

しかし先に行動をしたのは瑞希で、荒々しく立ち上がると聖の腕を鷲掴み出口に向かって早足で歩き出した。


「ちょ、瑞希くん?」


チラリと垣間見えた顔は青ざめていた。

瑞希はそのまま素早く会計を済ませて外に出ると、勢いを落とさず人を掻き分けながら歩き続ける。


しばらく引っ張られるように着いていくだけの聖だったが、腰をかけられそうなベンチを見つけ瑞希の服を引っ張った。


「瑞希くん!あれ!あそこに座ろう!」


聖の指さす方を見て、瑞希は動きを止める。

暗くて顔色は分からないが、息が荒くかなり辛そうな状態だというのは分かった。

聖はとにかく瑞希を座らせ近くにあった自動販売機でミネラルウォーターを購入し、蹲るようにして座る瑞希に触れないよう注意を払いながら震える背中に声をかける。


「お水、飲める?」


返事は無く、ただ首を横に振るだけだった。



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