低温を綴じて、なおさないで
「鍵、渡すの忘れてたなって思い出した」
「あー、いつだっけ、別れたの」
「2週間くらい前?」
よろよろ弱く動かしていたブランコをぴたっと止めて、差し出された銀色の鍵を受け取る。わたし用に白いリボンのついたそれをポケットに入れて、今日からまたわたしの住人とした。
「わたしの、また持ってくね」
「りょうかい」
「今度は何ヶ月わたしのところにいてくれるかな、この鍵」
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