低温を綴じて、なおさないで
一目惚れしたその端正な顔が近づいてきて、拒むことなんてできなかった。
唇と唇が重なったのも、はじめてだった。いわゆるファーストキス。
私の大事なはじめては、すきなひとか、運命のひとに、って決めていた。
そして、私のことをすきなひとがいい。愛してくれるひとがいい。
触れるだけの柔らかいキスは、私を溶かして、絆していった。
角度を変えて、離してはまた近づいて、とろけるようなキスに、今まで感じたことのない充足感で心がいっぱいになった。
いいのかな、これで。……いいんだ、これで。