低温を綴じて、なおさないで


ぼんやりとした思考と視界のなかで “好き” の文字だけが浮かぶ。好きでいてくれてる、“私”のこと。たくさん好きって言ってくれてうれしい。



痛くてきもちよくなんかなかった。できればもうしたくないとすら思った。だけど矢野さんのおかげで大人になれた気がしてうれしかったから痛みなんて我慢できたし、矢野さんとなら何回でもしたかった。



矢野さんと付き合って、こうして触れ合い続けたら、これもきもちよくなるかな、って淡い期待をしていた。





────朝、あなたは180度別人になっていた。


それはもう、太陽が月に成り代わったのと同じくらいの変わりようで。天地がひっくり返ったよう。



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