バツイチ美女と 御曹司
小さなころから、花が好きだった。

学校の帰り道、道端に咲いている
名もない花を取ってきては、
自分の机に飾ったり、
食卓のテーブルに飾ったりした。

家族がその花を見てあれやこれやと
話が弾むのもうれしかった。

高校の時は華道部に入ったが
畳に座って剣山に花を活けていくのは
あまり楽しくはなかったが、
活けた花は家に持ち帰れるので、
家に帰って自分流に何個かの花器に
活け直していた。

マリは離婚したら、
自分の花屋を持ちたいと思った。

小さな花屋でいい。

自分一人が食べていけるだけの
収入があればそれでいい。

そしてそのために、フラワー
アレンジメントの勉強を始めた。

週三回レッスンに通い初級から上級まで
制覇してデイプロマのゴールドを取得した。
約一年でデイプロマ迄とったのは
過去にも例がないと言われた。

それほどマリは必死だったのだ。

自分のできる事したい事はこれしかないと
思っていた。

デイプロマの認定書を持っていれば
教室を開くことも可能なのだ。

今はプロコースのレッスンを受けながら
講師のアシスタントも頼まれてやっている。

ほんの少しだがバイト代も出る。

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